ウィリアムズ症候群患者における空間的順次及び空間的同時ワーキングメモリー



Spatial-sequential and spatial-simultaneous working memory in individuals with williams syndrome.

Lanfranchi S, De Mori L, Mammarella IC, Carretti B, Vianello R.
Am J Intellect Dev Disabil. 2015 May;120(3):193-202.

本研究の目的は18人のウィリアムズ症候群患者と、非言語的精神年齢を一致させた18人の正常に発達した子ども達の視空間ワーキングメモリーの成績を比較することである。二種類の側面で検討した。ひとつは課題表現フォーマット(例:空間的順次的あるいは空間的同時的)であり、もうひとつは注意制御レベル(例:能動的あるいは受動的課題)である。研究結果から、ウィリアムズ症候群患者は正常に発達した子ども達と比較して、受動的空間的同時的課題の成績は低いが、受動的空間的順次的課題には差が見られなかった。前者の成績は、両能動的課題において悪かった。これらの課題はウィリアムズ症候群患者の空間的同時的ワーキングメモリーに障害があることと同時に、他の原因による知的障害者にも見られるような、情報の貯蔵と同時処理を必要とする課題に対するより一般的な困難も存在することを示唆している。

(2015年5月)



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