「局所的あるいは全体的な処理」概念の再考:ウィリアムズ症候群、ダウン症候群、自閉症スペクトラム障害からの証拠



Rethinking the concepts of 'local or global processors': evidence from Williams syndrome, Down syndrome, and Autism Spectrum Disorders.

D'Souza D(1), Booth R(2), Connolly M(1), Happe F(3), Karmiloff-Smith A(1).
Author information:
(1)Birkbeck Centre for Brain and Cognitive Development, University of London, UK.
(2)Institute of Child Health, University College London, UK.
(3)Social, Genetic and Developmental Psychiatry Research Centre, Institute of Psychiatry, King's College London, UK.
Dev Sci. 2015 May 25. doi: 10.1111/desc.12312. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群と自閉症スペクトラム障害のどちらも、局所的情報を優先的に処理するという特徴がある一方、ダウン症候群は刺激を全体的に処理する傾向があると報告されている。我々は、これらの症候群における局所的/全体的処理の相違点と類似点を明らかにするために症候群間及び課題間比較を設計した。我々が行った徹底的な研究では、3種類の症候群に対して、モーダル間(聴覚-言語/視覚-空間)及び処理のレベル(高度/低度)に関して局所的/全体的処理を比較した。文献に書かれた主張にかかわらず、ウィリアムズ症候群と自閉症スペクトラム障害の被験者は一貫した局所的処理傾向を示すことが無い一方、ダウン症候群の被験者は信頼できる全体的処理傾向を示せなかった。刺激や課題の本質に依存して、局所的及び全体的処理傾向のどちらもがこれら3種類の神経発達障害のすべてで明らかに観察された。これらの発見は神経発達障害の患者が単純に局所的あるいは全体的な処理を行うと特徴付けられないことを示している。

(2015年6月)



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