無題(ウィリアムズ症候群の神経解剖学的特徴)



Alleva E, Cirulli F, Calamandrei G, Rondinini C, Capirci O, Aloe L, Volterra V
Laboratorio di Fisiopatologia di Organo e di Sistema, Istituto Superiore di Sanita, Roma.
Ann Ist Super Sanita 1999;35(2):211-9

ウィリアムズ症候群は稀な(2-5/100,000)ヒトの遺伝子病で、特徴的な容貌と視空間認知障 害を伴う精神遅滞と一般的には比較的維持された言語能力、とくに話し言葉、で特徴付け られる。同症候群は形態的異常や代謝機能異常、そして脳の発生パターンにも障害が見ら れることが多い。最近発見されたウィリアムズ症候群の遺伝子原因を述べる。ウィリアム ズ症候群の人の認知プロフィールを定義し、ダウン症や自閉症の認知プロフィールと比較 した。脳容積の減少、維持された小脳や前頭葉、後部皮質システムの減少などのウィリア ムズ症候群の神経解剖学的特徴を述べる。神経成長因子(NGF: nerve growth factor)、す なわち脳のコリン遊離システムの発達とそれに関連する行動的機能に含まれるニューロト ロピン(neurotrophin)が、典型的な精神遅滞の病因にはたす役割の可能性の本質的議論が 行われる。この症候群の早期診断に寄与する潜在的神経生物学的マーカの同定を含む今後 の研究方向がレビューされる。

(2000年1月)

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