ウィリアムズ症候群小児における無症状のキアリ奇形T型:臨床及びMRIによる研究



Chiari I malformation in asymptomatic young children with Williams syndrome: clinical and MRI study.

Mercuri E, Atkinson J, Braddick O, Rutherford MA, Cowan FM, Counsell SJ, Dubowitz LM, Bydder G
Visual Development Unit, University College London, UK.
Europ J Paediatr Neurol 1997;1(5-6):177-81

2歳4ヶ月と3歳のウィリアムズ症候群児における臨床及びMRI所見を報告する。両児と も総合的に見て経度の遅滞が見られたが、検査の結果神経系んみはまったく異常がなかっ た。しかし、両児にMRI検査を行ったところキアリ奇形T型と半卵円中心と側脳室の後ろ に位置する白質に軽微な変異が見られた。小脳扁桃はそれぞれ8.5mmと7.5 mm大後頭孔か ら脱出していた。この結果から特段明白な神経的徴候がなくても、キアリ奇形T型がウィ リアムズ症候群に合併する可能性がある。彼らが今後急性の症状が出るかどうかは現在の 所不明である。多くのウィリアムズ症候群の患者に対して今回見つかった所見が見られる かどうか評価を行うとともに、急性の神経徴候を発症させる危険性のある子どもたちを事 前に特定するためにさらなる研究が必要である。

(2000年3月)

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