ウィリアムズ症候群の子どもにおける音程に関する音楽スキルの発達軌跡
Developmental trajectories of pitch-related music skills in children with Williams syndrome.
Mart?nez-Castilla P(1), Rodr?guez M(2), Campos R(3).
Author information:
(1)Department of Developmental and Educational Psychology, Universidad Nacional de Educaci?n a Distancia (UNED), Madrid, Spain. Electronic address: pastora.martinez@psi.uned.es.
(2)Department of Developmental and Educational Psychology, Universidad Nacional de Educaci?n a Distancia (UNED), Madrid, Spain. Electronic address: manuel.rodriguez@psi.uned.es.
(3)Department of Basic Psychology, Universidad Aut?noma de Madrid (UAM), Madrid, Spain. Electronic address: ruth.campos@uam.es.
Res Dev Disabil. 2016 Jan 13;51-52:23-39. doi: 10.1016/j.ridd.2016.01.001. [Epub ahead of print]
ウィリアムズ症候群における音楽認知の研究は、結果として認知のモジュール性と発達に関する理論的論争になっている。しかし、この患者集団における音楽スキルの発達を調査した研究はまだない。本研究では、ウィリアムズ症候群の子どもにおける音程に関する音楽スキルの発達を横断的発達軌跡手法を用いて調査し、正常に発達した同等者と比較した。このように、音程に関する音楽スキルの時間経過に伴う変化の役割と、音楽スキルとその他の認知領域との発達相関を評価した。正常に発達した子どもでは、音程に関する音楽スキルは歴年齢の増加や認知機能の発達とともに進歩していく。ウィリアムズ症候群の子どもでは、発達に関する相関は、いくつかの音程に関する音楽スキルと特定の認知プロセスの間でしか観察されなかった。暦年齢と音程に関する音楽スキルの間の体系立っていない相関関係、認知発達を考慮した場合に到達できる音楽レベルにおける停滞、認知機能と音楽スキルの不均等な相関なども見つかった。加えて、正常グループとウィリアムズ症候群のグループは音程に関する音楽スキルの発達パターンに違いが見られた。これらの結果から、ウィリアムズ症候群の子どもにおける音程に関する音楽スキルの発達は非典型的であることが示唆される。我々の発見はウィリアムズ症候群の音楽に関する生得的モジュール性を主張する見方とは対照的な立場であり、どちらかというと、神経構築主義(neuroconstructivist)的説明と一致している。
(2016年1月)
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