ウィリアムズ症候群とダウン症候群の患者における顔の感情表現に対する注意の引き付け



Attention allocation to facial expressions of emotion among persons with Williams and Down syndromes.

Goldman KJ(1), Shulman C(1), Bar-Haim Y(2), Abend R(2), Burack JA(3).
Author information:
(1)Hebrew University of Jerusalem.
(2)Tel Aviv University.
(3)McGill University.
Dev Psychopathol. 2016 Dec 27:1-9. doi: 10.1017/S0954579416001231. [Epub ahead of print]

ウィリアムズ症候群やダウン症候群の患者はどちらも社会的興味が大きいことが特徴であるが、その徴候の表れ方は同じではない。ドット・プローブ課題を用いて、その違いの根源の可能性のひとつ、すなわち顔の感情表現に対する注意の引き付け方を調査した。ウィリアムズ症候群患者13人(平均年齢=19.2歳、年齢範囲=10歳−28.6歳)、ダウン症候群患者20人(平均年齢=18.8歳、年齢範囲=12.1歳−26.3歳)、正常に発達した子供19人が参加した。これらのグループは精神年齢(平均=5.8歳)を合わせてある。怒りの表情にバイアスを示したグループはなかった。ウィリアムズ症候群の被験者は幸せな表情に対して選択的なバイアスを示したが、ダウン症候群の被験者は正常に発達した被験者と同様にそのようなバイアスは示さなかった。バイアスの方向の均一性はウィリアムズ症候群被験者が著しく高く、これは明らかに注意補足が亢進しているバイアスの影響である。彼らは明らかに、素早くかつ選択的に陽性な顔の表情に注意を引き付けられる。両症候群のこの行動に関係する可能性がある、社会的接近行動の複雑性やその他の認知局面の探索の必要性を議論する。

(2017年1月)



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