ウィリアムズ症候群幼児における問題行動と心理社会的機能:両親と教師の展望
Problem behaviour and psychosocial functioning in young children with Williams syndrome: parent and teacher perspectives.
Klein-Tasman BP(1), Lee K(1).
Author information:
(1)Department of Psychology, University of Wisconsin-Milwaukee, Milwaukee, WI, USA.
J Intellect Disabil Res. 2017 Mar 7. doi: 10.1111/jir.12367. [Epub ahead of print]
【背景】
ウィリアムズ症候群幼児の問題行動に関する文献は数が少なく、複数の回答者による展望の考慮にも欠けている。
【方法】
2歳から6歳のウィリアムズ症候群幼児35人の問題行動をアッケンバックの就学前児童様式(Achenbach preschool forms)を用いて両親と教師両方からの報告に基づいて調査した。
【結果】
両親と教師両方からの報告に基づくもっとも顕著な領域は、注意障害、広汎性発達障害、感情反応困難である。評価者間の差異も観察された。もっとも目立ったのは、教師のほうが両親に比べて、外部的な行動問題、すなわちより攻撃的な行動、注意欠陥/多動性問題、敵対的反抗的態度などを多く報告している。知的能力や年齢、性別との相関はほとんど観察されない。
【考察】
ウィリアムズ症候群の年齢の高い子供に明らかにみられる問題行動のある側面(注意障害、社会的問題など)は幼い子供にも見られる一方で、その他の領域(不安症)等はあまり見られない。ウィリアムズ症候群に合併する行動的表現型を理解するためのこの知見の意義を議論する。
(2017年3月)
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