ウィリアムズ症候群における感情表現判断時の戦略的情報利用に対する理解
Understanding Strategic Information Use During Emotional Expression Judgments in Williams Syndrome.
Ewing L(1)(2)(3), Farran EK(4), Karmiloff-Smith A(1), Smith ML(1).
Author information:
(1)a Department of Psychological Sciences, Birkbeck,University of London,London, UK.
(2)b School of Psychology , University of East Anglia , Norfolk , UK.
(3)c ARC Centre of Excellence in Cognition and its Disorders, School of Psychology , University of Western Australia , Crawley , Australia.
(4)d UCL Institute of Education , University College London , London , UK.
Dev Neuropsychol. 2017;42(5):323-335. doi: 10.1080/87565641.2017.1353995.
ウィリアムズ症候群における表現判断を詳細に分析したところ、成功裏に感情の分類を行うためには、「伝統的(classical)」は情報処理プロセスが必要ないことが判明した。この患者は、幸せな顔や恐怖を示す顔を同定する際に、正常に発達した対照群の子どもや成人とは異なる顔の部分的特徴の組み合わせを利用している。判断に利用する視覚的情報もウィリアムズ症候群においては相互関連の程度が有意に少なく、このことは顔の同定判断を行う際に構成情報処理が消失しているという報告と整合している。この結果は、年齢相当の表現成績を異なる経路で獲得していることを示していることから、表情に関する専門知識に関する典型的なモデルを再考する必要性を促している。
(2017年9月)
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