ウィリアムズ症候群の成人における社会的能力障害への取組
Addressing social skills deficits in adults with Williams syndrome.
Fisher MH(1), Morin L(2).
Author information:
(1)Michigan State University, United States. Electronic address: fishermh@msu.edu.
(2)Michigan State University, United States.
Res Dev Disabil. 2017 Oct 12;71:77-87. doi: 10.1016/j.ridd.2017.10.008. [Epub ahead of print]
背景:
ウィリアムズ症候群の患者は超社会的であるが、一方で相互関係において社会的困難や障害も経験する。本報告は、ウィリアムズ症候群の成人の社会的機能を調査した3本の研究から得られた知見と、ウィリアムズ症候群成人向け社会的能力訓練プログラムの初回レッスン計画の成績を調べることを通じて、そのプログラム(a social skills training program for adults with WS (SSTP-WS))の実現可能性をまとめた。
手法:
研究1:114人のウィリアムズ症候群の成人に社会応答性尺度U(the Social Responsiveness Scale-2)に回答してもらった。研究2:ウィリアムズ症候群の成人10名と彼らの両親12名に、研究1で明らかになった障害をさらに詳しく調べるために観察グループに参加してもらい、SSTP-WSについて議論した。研究3:ウィリアムズ症候群の成人30人を会話あるいは相互関係という2つのレッスンを無作為に割り当て、社会的能力のレッスン前後での変化を調査した。
結果:
研究1によれば、ウィリアムズ症候群の成人は社会的認知(social cognition)において重度の障害を、社会的自覚(social awareness)や社会的コミュニケーションにおいて軽度から中程度の障害を経験している。研究2で得られた量的結果によれば、SSTP-WSは会話や相互関係に取り組むべきである。研究3では、参加者はレッスンを完了することで社会的能力に関する知識を得られることが分かった。
関連:
SSTP-WSはウィリアムズ症候群の成人にとって効果があると思われる。さらなる研究において、年齢が異なるウィリアムズ症候群の患者の社会的な要望を明確にし、SSTP-WSを発展させるべきである。
(2017年10月)
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