ウィリアムズ症候群におけるシグマ周波数依存の運動学習
Sigma frequency dependent motor learning in Williams syndrome.
Berencsi A(1)(2), B?dizs R(3)(4)(5), Gombos F(3)(4), L?szl? S(3)(6), Kov?cs I(3)(4).
Author information:
(1)Laboratory for Psychological Research, P?zm?ny P?ter Catholic University, Miksz?th t?r 1, Budapest, H-1088, Hungary. berencsi.andrea@barczi.elte.hu.
(2)Institute for Methodology of Special Education and Rehabilitation, E?tv?s Lor?nd University B?rczi Guszt?v Faculty of Special Education, Ecseri ?t 3, Budapest, H-1097, Hungary. berencsi.andrea@barczi.elte.hu.
(3)Laboratory for Psychological Research, P?zm?ny P?ter Catholic University, Miksz?th t?r 1, Budapest, H-1088, Hungary.
(4)Department of General Psychology, P?zm?ny P?ter Catholic University, Miksz?th t?r 1, Budapest, H-1088, Hungary.
(5)Department of Medical Psychology, Institute of Behavioural Sciences, Semmelweis University, Nagyv?rad t?r 4, Budapest, H-1089, Hungary.
(6)PhD School of Mental Health Sciences, Semmelweis University, Balassa u. 6, Budapest, H-1089, Hungary.
Sci Rep. 2017 Dec 1;7(1):16759. doi: 10.1038/s41598-017-12489-y.
微細運動学習には二つの基本段階が存在する。練習中(オンライン学習)に能力を獲得し、らなる練習なし(オフライン学習)で能力が向上すると考えられる。固定化(consolidation)とも呼ばれるオフライン学習は、学習された運動のスピードと正確性という点で、睡眠に依存する段階である。睡眠紡錘波(Sleep spindle )あるいは、シグマ帯特性(sigma band characteristics )は正常に発達した人の運動学習に影響を与えている。ここで我々は、神経発達障害(ウィリアムズ症候群)ですでに発見されているシグマ活動の変異が運動学習を予測できるかどうかを考えてみる。正常に発達した人とウィリアムズ症候群患者の被験者に2日間にわたって一連の指先で行うタップ運動を練習してもらった。ウィリアムズ症候群の被験者は最初は成績が低い状態であったが、正常に発達した人とウィリアムズ症候群患者の両方の被験者は運動の正確性という観点では、同等の量のオンライン学習とオフライン学習を行った。ウィリアムズ症候群患者の睡眠中の脳波の周波数分析を行ったところ、運動の正確性の向上は8-16Hzの範囲の波形プロフィールに含まれているウィリアムズ症候群に特有のNREM睡眠中脳波と複雑に関係していた。さらに高い周波数である11-13.5Hzのz変換パワーがタップ運動の高位オフライン正確性向上に関係していた。また、さらに高い周波数の振動が低位オフライン正確性向上に関係していた。これらの発見はウィリアムズ症候群における睡眠紡錘波(あるいはシグマ帯)活動と運動学習との基礎的関係性を示唆している。
(2017年12月)
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