ウィリアムズ症候群の扁桃体の死後における立体解析学的研究
A postmortem stereological study of the amygdala in Williams syndrome.
Lew CH(1), Groeniger KM(1), Bellugi U(2), Stefanacci L(1), Schumann CM(3), Semendeferi K(4)(5).
Author information:
(1)Department of Anthropology, Social Sciences Building Rm. 210, University of California, San Diego, 9500 Gilman Drive, La Jolla, CA, 92093-0532, USA.
(2)Laboratory for Cognitive Neuroscience, Salk Institute for Biological Studies, 10010 N. Torrey Pines Rd., La Jolla, CA, 92037, USA.
(3)Department of Psychiatry and Behavioral Sciences, MIND Institute, University of California, Davis, Sacramento, CA, 95817, USA.
(4)Department of Anthropology, Social Sciences Building Rm. 210, University of California, San Diego, 9500 Gilman Drive, La Jolla, CA, 92093-0532, USA. ksemende@ucsd.edu.
(5)Kavli Institute for Brain and Mind, University of California, 9500 Gilman Drive, La Jolla, CA, 92093, USA. ksemende@ucsd.edu.
Brain Struct Funct. 2017 Dec 21. doi: 10.1007/s00429-017-1592-y. [Epub ahead of print]
扁桃体に対する攪乱は自閉症や 統合失調症などの社会的行動に異常がある神経性疾患で観察される。ここでは、女性と男性のウィリアムズ症候群患者の死後の脳内における扁桃体を定量的に調査した。ウィリアムズ症候群はきちんと定義された26個までの遺伝子が欠失したことが原因であり、顕著な超社会性を含む一貫した行動プロフィールを有することが特徴である。不偏的な立体解析学的サンプリングを行ない、神経核の体積、神経細胞の数、神経細胞の密度、神経細胞体の分布範囲を4か所の扁桃体神経核分野、すなわち、 外側核、基底核、 副基底核、中心核で、ウィリアムズ症候群の5人の成人と2人の幼児、及び性別と年齢と脳半球を一致させた7人の正常に発達した対照群の脳で推定した。調査を行った4か所の神経細胞の境界は、データを収集する対象として分離された4か所の領域でニッスル染色された冠状切片上に設定した。我々の調査では、ウィリアムズ症候群の外側核は対照群に比べて有意に数多くの神経細胞を含んでいた。基底核、 副基底核、中心核における神経細胞の数は、ウィリアムズ症候群と対照群では有意な差はなかった。さらに、4か所において、神経核の体積、神経細胞の密度、神経細胞体の分布範囲には有意な差は見られなかった。同様に計画された研究では、自閉症においては外側核における神経細胞の数が減っていることが報告されており、両症候群で顕著に対立する社会性領域の特徴を反映している。これらの結果は、外側核における神経細胞の数が、扁桃体の機能や社会行動的表現型の病理学的な攪乱に影響を与えている可能性がある。
(2018年1月)
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