Williams症候群をともなう小児の教育的支援に向けた認知特性の検討



加戸 陽子、窪田 真理子、石原 忍、眞田 敏
関西大学人権問題研究室
関西大学人権問題研究室紀要(74), 19-38, 2017-07

本報告では視覚認知機能の特異性とそれに着目した支援が注目されるWilliams症候群をともなう小児を対象に、視覚認知評価を含めた各種心理検査を適用し、認知特性に関する詳細な検討を行った。その結果、言語的な概念理解や短期記憶、継次処理が良好であったが、ワーキングメモリー、プランニング、目と手の協応、視空間認知が不十分で、視覚情報が複雑で量が多い場合の認識に困難をともなうと考えられた。なお、視覚刺激の模写は困難とする先行研究の知見よりも良好な模写反応を認めたことから、本症候群の認知的多様性が推測され、教育的支援の検討には認知特性の実態把握が重要であると考えられた。

(2018年1月)



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