症候性難聴(Williams症候群とLEOPARD症候群)の2例



阪本 浩一 1,2、大津 雅秀 2、勝沼 紗矢香 2
1 大阪市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉病態学、2 兵庫県立こども病院耳鼻咽喉科
Otology Japan、26(4)、459ページ 2016年

はじめに:先天性難聴の過半数が遺伝性難聴とされている。遺伝性難聴は、難聴以外の症状のない非症候性難聴と難聴以外の症状を伴う症候性難聴に大別される。症候性難聴は遺伝性難聴の30%を占めるとされ、400種あまりが知られている。今回、われわれは、ともに新生児難聴スクリーニングで難聴が発見された比較的まれな、Williams症候群とLEOPARD症候群の2例を経験したので、その聴覚的な評価と難聴の経過を中心に報告する。

症例1:9歳女児:新生児難聴スクリーニングで左側referにて3か月で当科受診。心室中核欠損、肺動脈狭窄にて循環器内科で経過観察されていた。ASSRにて左耳は100dB、右耳は80-60dB程度で反応を認めた。DPOAEは両側referであった。側頭骨CTでは、中耳、内耳に特に異常は認めなかった。6か月時のABR、ASSRの再検査でも同様の結果で、CORでも50dB程度の反応であったため、左重度難聴、右中軽度難聴と考え、右耳への補聴器の装用を開始した。1歳6か月時の津森式発達検査ではDQ50であった。全身的には、高Ca血症認められ、Williams症候群疑われ、染色体検査にて確定した。3歳時に川崎病に罹患。冠動脈には異常認めなかった。5歳より両耳に滲出性中耳炎認め、鼓膜チュービングを行った。6歳以後鼓膜所見は改善、現在の聴力は右45.0dB、左78.8dBの高音漸減型の感音難聴を示す。右耳に補聴器を装用している。言語発達は8歳7か月時のPVT-Rで語彙年齢5歳1か月、SS2である。

中略

当科で経験した、比較的まれな症候性難聴を示した2症例を報告した。小児難聴医療において症候性難聴も念頭に置き対応することも重要であろう。

(2018年2月)



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