イスラエル人のウィリアムズ患者の大規模コホート集団における医学的、認知的、精神的特徴
Medical, Cognitive, and Psychiatric Characteristics in a Large Israeli Cohort of Individuals with Williams Syndrome.
Dror C(1), Sinai A(2), Gothelf D(1).
Author information:
(1)Department of Child Psychiatry, Safra Children's Hospital, Sheba Medical Center, Tel Hashomer, Israel.
(2)Department of Psychiatry, Sheba Medical Center, Tel Hashomer, Israel.
Isr Med Assoc J. 2018 Jun;20(6):373-378.
背景:
ウィリアムズ症候群は神経発生的症候群であり、様々な医学的症状と明瞭な精神的かつ行動的特徴を併せ持った認知障害が特徴である。我々が知る限り、今日までに、あるひとつの研究で特定のウィリアムズ症候群患者のコホート集団における医学的、認知的疾患と精神疾患の有病率を総括的に報告した研究はない。
目的:
イスラエル全国的な大規模コホート内のウィリアムズ症候群におきる様々な臨床的症状の有病率を詳しく調査する。ウィリアムズ症候群における注意欠陥多動性障害(ADHD)に対するリスク要素の可能性を調べる。
手法:
ADHDの有病可能性に対する循環器系疾患、知能指数(IQ)、音恐怖症(音を恐れること)の影響を調べた。本研究にはウィリアムズ症候群患者80人(平均年齢7.76歳)が参加した。関連する医学的情報は遡及的にカルテから得た。さらに、構造的ツールを用いて知能検査と精神医学的評価を行った。ADHDと、循環器系疾患や知能指数や音恐怖症との間の相関をロジスティック回帰分析手法を用いて分析した。
結果:
大動脈弁上狭窄と肺動脈弁上狭窄はウィリアムズ症候群でよくみられる循環器系疾患である。音恐怖症とADHDもウィリアムズ症候群患者で最も多く観察される神経疾患である。ウィリアムズ症候群患者においては、音恐怖症はADHDになるリスクとの間で有意に関連が見られた。
結論:
我々の得た知見によれば、ウィリアムズ患者の医学的、認知的、精神的特徴の種類と有病率はこれまでに公表されている結果と一致している。さらに、音恐怖症とADHDの間に相関関係の可能性があることを示しており、これは更なる研究を必要としている。
(2018年6月)
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