数量詞の理解は数量的能力より言語能力に関連している。ダウン症候群とウィリアムズ症候群の子供から得られた証拠



Quantifier comprehension is linked to linguistic rather than to numerical skills. Evidence from children with Down syndrome and Williams syndrome.

Dolscheid S(1), Penke M(1).
Author information:
(1)Department for Special Education and Rehabilitation, University of Cologne, Cologne, Germany.
PLoS One. 2018 Jun 27;13(6):e0199743. doi: 10.1371/journal.pone.0199743. eCollection 2018.

自然言語の数量詞(多くの、全部の、いくつかの)の理解には数量的能力と言語能力の両方が含まれている。しかし、両方の要素が担う役割の範囲には議論の余地がある。数量詞の理解に対する数量的能力と言語能力それぞれの寄与度を確定させるために、数量的能力は同程度であるように見えるにもかかわらず、言語能力が異なっている二つの被験者集団を調査した:ダウン症候群とウィリアムズ症候群である。どちらかというと言語能力に劣るダウン症候群の患者に比べて、ウィリアムズ症候群の患者は比較的高度な言語能力を披露する。ウィリアムズ症候群の患者は数量詞理解課題でダウン症候群の患者を凌駕する成績をしますが、両グループ間で数字に関する知識の差はみられない。精神年齢を一致させた正常に発達した子どもの対照群と比較すると、ウィリアムズ症候群患者は数量詞の理解において同等のレベルを示すが、ダウン症候群被験者は対照群より成績が劣る。線形回帰分析によれば数値以外の言語能力も数量詞知識の先行指標であり、数量詞を理解するためには言語能力が重要であることを強調している。数量詞理解に関連する能力を決定させることに加えて、我々の今回の発見は、ダウン症候群とウィりアムズ症候群の患者がどのよいに数量詞を理解するかという、とこれまで研究されていなかった問題に対する初めての実証例を提示している。

(2018年8月)



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