ウィリアムズ症候群の聴覚評価の特徴:体系的レビュー
Characteristics of auditory evaluation in Williams syndrome: a systematic review.
[Article in English, Portuguese; Abstract available in Portuguese from the publisher]
Silva LAF(1), Kim CA(2), Matas CG(1).
Author information:
(1)Departamento de Fisioterapia, Fonoaudiologia e Terapia Ocupacional, Faculdade de Medicina, Universidade de Sao Paulo - USP - Sao Paulo (SP), Brasil.
(2)Unidade de Genetica, Instituto da Crianca, Hospital das Clinicas, Faculdade de Medicina, Universidade de Sao Paulo - USP - Sao Paulo (SP), Brasil.
Codas. 2018 Sep 17;30(5):e20170267. doi: 10.1590/2317-1782/20182017267.
目的:ウィリアムズ症候群患者の臨床的聴覚評価の特徴を、文献を体系的にレビューすることで明らかにすること。
研究方針:最初に以下の研究命題を確定させた。すなわち「ウィリアムズ症候群患者の臨床的聴覚検査の特徴は何か。」 このため、検索語として「ウィリアムズ症候群、難聴、聴能学」を用いて4つのデータベースに対して文献検索を行った。
選択基準:レベル1か2の証拠を含んでブラジルポルトガル語か英語で書かれた論文全文のみを選択した。
データ分析:定常的な臨床検査で行われる聴覚検査の結果で得られたデータ、すなわち、イミタンス検査、標準純音聴力検査、耳音響放射、脳幹聴性誘発電位を分析した。
結果:209件の研究が見つかったが、本研究の対象基準に合致したのはそのうちの12件だけだった。A型鼓膜聴力検査カーブ(type A tympanometry curve)の蔓延が観察された可能性がある。これは聴覚反射の喪失、主に高周波数帯が影響を受けている軽度から中程度の感覚神経性難聴、増幅耳音響放射の喪失あるいは低下、 後迷路性変性がない脳幹聴性誘発電位を有する場合に発生する。
結論:蝸牛の障害はウィリアムズ症候群患者によくみられ、この集団の聴覚検査で発見される疾患の主なものには、耳音響放射と聴覚反射の喪失に加えて、 聴力検査で発見される主に高周波数帯が影響を受けている軽度から中程度の感覚神経性難聴がある。
(2018年10月)
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