I. ウィリアムズ症候群の神経認知プロファイル:複雑なパターンを見せる長所と短所
I. The Neurocognitive Profile of Williams Syndrome:
A Complex Pattern of Strengths and Weaknesses.
Bellugi U, Lichtenberger L, Jones W, Lai Z, St George M
The Salk Institute for Biological Studies.
J Cogn Neurosci 2000 Mar;12 Suppl 1(1):7-29
遺伝子に起因する稀少病であるウィリアムズ症候群は認知的・神経解剖学的・電気生理学
的に独特な特徴の組み合わせを示しており、ここで報告する一連の論文を通して明らかに
していく。本論文では、まずウィリアムズ症候群の認知特質に注目し、本症候群における
これらの特質と脳と遺伝子的起因の間の関連を構築していく。ウィリアムズ症候群の患者
が持つ独特な認知プロファイルには、比較的優れた言語と相貌認識と大きな損傷を受けて
いる空間認知機能が含まれる。典型例を含むウィリアムズ症候群患者の認知能力プロファ
イルを議論する一方で、これまでに研究対象としてきたウィリアムズ症候群患者グループ
間の能力の分散についても強調している。ウィリアムズ症候群患者の典型的な全体的認知
能力(IQ)は軽度〜中程度の精神遅滞の範囲に入っているが、異なる認知ドメイン間に存在
する能力の凹凸が、この症候群のレベル間の研究を行うことへの興味を特にかきたててい
る。高次認知機能を司る脳の基本原理(そして最終的には遺伝子的基本原理)を理解するす
ることが本研究の目標であり、この一連の学際的研究に取りかかった理由である。
(2000年8月)
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