Williams症候群における正のバイアスを拡張する:注意割当における伝記的情報の影響
Extending the positive bias in Williams syndrome: The influence of biographical information on attention allocation.
Boulton KA(1), Porter MA(1).
Author information:
(1)Department of Psychology and Centre for Atypical Neurodevelopment,Macquarie University,Sydney,Australia.
Dev Psychopathol. 2019 Feb 7:1-14. doi: 10.1017/S0954579418001712. [Epub ahead of print]
ウィリアムズ症候群患者は正の社会的知覚(幸せな)を示す顔に対する注意バイアスを示す証拠がある。この注意バイアスが社会的知覚刺激を越えて、正の(信頼できる)伝記的情報と対になった知覚的に中立の刺激にも拡張されるかどうかを検討した研究者はいない。ウィリアムズ症候群の患者14人(平均年齢14歳以1か月)に対して、知覚的に中立の顔を、信頼できる(正の)、中立の、信頼できない(負の)の伝記的情報と関連付ける学習をした後、同じ伝記的顔を呈示するドット・プローブ課題を実施した。ウィリアムズ症候群被験者と歴年齢と精神年齢をそれぞれ一致させた2つの正常に発達した対照群と、ウィリアムズ症候群グループの成績を比較した。信頼できない特徴に対しては、グループ間のバイアスの差異は観察されなかった。ウィリアムズ症候群グループは両対照群(バイアスを示さない)と比較して、信頼できる特徴に対して選択的注意バイアスを示した。この結果はウィリアムズ症候群患者は、神経学的、生物学的、注意的な各レベルにおいて正の社会的知覚刺激(幸せな顔)に好意を示すというこれまでの発見を支持する。今回の発見は、この研究を「トップダウン」の正のバイアスを含むように拡張できる。この症候群において、社会的知覚刺激(または「ボトムアップ」プロセス)を越えて広がる正のバイアスに関する意味を議論する。
(2019年2月)
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