短報:自閉症スペクトラム症とウィリアムズ症候群における感覚処理、反復行動、不安、不確実性に対する耐性の相互間の関係性



Short report: Relationships between sensory processing, repetitive behaviors, anxiety, and intolerance of uncertainty in autism spectrum disorder and Williams syndrome.

Glod M(1), Riby DM(2), Rodgers J(1).
Author information:
(1)Institute of Neuroscience, Sir James Spence Institute, Newcastle University, Newcastle upon Tyne, UK.
(2)Department of Psychology, Durham University, Durham, UK.
Autism Res. 2019 Mar 28. doi: 10.1002/aur.2096. [Epub ahead of print]

自閉症スペクトラム症とウィリアムズ症候群は感覚処理や反復行動に関係する精神病理を共有している。両疾患における感覚特徴と反復行動の間の関係性、およびその関係性の基礎となるメカニズムはまだ十分理解されていない。本研究の目的は、自閉症スペクトラム症とウィリアムズ症候群の子どもにおける感覚処理、反復行動、不安、不確実性に対する耐性の相互間の関係性を調べることであり、そうすることでこれらの疾患の複雑な精神病理をよりよく理解できる。4歳から9歳の自閉症スペクトラム症の子ども19人とウィリアムズ症候群の子ども16人の両親に、自分たちの子どもの感覚的経験談、不安徴候、反復行動の頻度と重症度、不確実性に対する耐性のレベルに関する質問票に答えてもらった。一連の媒介分析を行った。自閉症スペクトラム症のグループだけに、感覚特徴と反復行動の間に有意な直接相関がみられた。ウィリアムズ症候群では感覚処理の困難度と反復行動の相関は不確実性に対する耐性によって媒介されていた。この発見は、神経発達障害の間に広がる感覚処理と反復行動の相関の基礎となるメカニズムの複雑さ、及びこれらのグループの精神病理の基礎となるメカニズムを考慮することに価値があることを支持している。これらの相関を理解することで、両疾患における最も対処が困難で難治性の特徴のいくつかに光をあて、自閉症スペクトラム症あるいはウィリアムズ症候群の患者のQOL(生活の質)を向上させるための適切な介入方法がわかる。

(2019年4月)



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