ウィリアムズ症候群や自閉症スペクトラム障害を有する就学前児童に共通しかつ症候群特異的な適応障害:症候群間比較研究
Shared and syndrome-specific adaptive difficulties in preschoolers with Williams syndrome and autism spectrum disorder: a cross-syndrome study.
Hamner T(1)(2), Raitano Lee N(2), Hocking DR(3), Vivanti G(1)(4).
Author information:
(1)AJ Drexel Autism Institute, Drexel University, Philadelphia, PA, USA.
(2)Department of Psychology, Drexel University, Philadelphia, PA, USA.
(3)Developmental Neuromotor and Cognition Laboratory, La Trobe University, Melbourne, Australia.
(4)Olga Tennison Autism Research Centre, School of Psychology and Public Health, La Trobe University, Melbourne, Australia.1016/j.ridd.2019.05.001. [Epub ahead of print]
J Intellect Disabil Res. 2019 Jul 18. doi: 10.1111/jir.12670. [Epub ahead of print]
背景:
ウィリアムズ症候群や自閉症スペクトラム障害の子どもの適応機能プロフィールを理解することは治療方針を知らせる上でとても重要である。しかし、この分野に関する知識は限られている上に不確定でもある。
手法:
今回の研究の目的は、暦年齢と発達年齢を一致させたウィリアムズ症候群(n=18、均年齢=47か月)と自閉症スペクトラム障害(n=26、平均年齢=45か月)の幼児を対象に、Vineland-II適応行動尺度を用いて初期の適応プロフィールの特徴を調べることである。
結果:
検査結果によれば、ウィリアムズ症候群と自閉症スペクトラム障害の幼児は適応機の総合的レベルには差異が見られないが、ウィリアムズ症候群の幼児は社会化尺度において自閉症スペクトラム障害の子どもと比較して強さが見られた。それ以外の下位尺度にグループ間の差は見られない。グループ内では、ウィリアムズ症候群のグループは、コミュニケーション・日常生活技能・運動よりも社会化に強みがみられるプロフィールになっているが、自閉症スペクトラム障害グループは下位尺度間に差異を示す証拠はない。
結論:
共通する症候群特異的な適応障害プロフィールを考えることで、治療の対象と方針に関して適切な見通しを得ることができる。2種類の臨床グループにまたがる共通的な障害を提示し、含意と今後の方針を議論する。
(2019年7月)
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