ウィリアムズ症候群の線分二等分課題における視空間バイアス
Visuospatial bias in line bisection in Williams syndrome.
Saj A(1)(2)(3), Heiz J(1), Van Calster L(1), Barisnikov K(1).
Author information:
(1)Department of Psychology, Child Clinical Neuropsychology Unit, University of Geneva, Geneva, Switzerland.
(2)Department of Psychology, University of Montr?al, Laval, QC, Canada.
(3)CRIR/Institut Nazareth et Louis-Braille du CISSS de la Mont?r?gie-Centre, Longueuil, QC, Canada.
J Intellect Disabil Res. 2019 Sep 12. doi: 10.1111/jir.12688. [Epub ahead of print]
背景:
近年、主観的直接的な課題を用いることで、ウィリアムズ症候群患者が身体知覚表現においてバイアスを示すことが明らかになった。本研究の目的は、ウィリアムズ症候群における水平正中線身体知覚を、線分二等分課題を用いて分析することである。これは自己中心参照枠を示す重要な基準である。
手法:
ウィリアムズ症候群患者15人(平均年齢=21.7±9.5歳)を定型発達を呈する二つのグループ、ひとつは暦年齢を一致させた15人の被験者のグループ、もうひとつは精神年齢を一致させた15人の子どものグループ、と比較した。課題は18本で構成される一連の線分のそれぞれを等分に分ける垂直線を、線分の中央に鉛筆で記すという課題である。
結果:
ウィリアムズ症候群の患者は、精神年齢や暦年齢を一致させた対照群に比べて有意な左側へのバイアスを呈した。
結論:
ウィリアムズ症候群の患者における分割ポイントの左方偏向は身体表現バイアスや自己中心参照枠の発達障害に関連している可能性がある。このような偏向を早期に発見することは、ウィリアムズ症候群患者の視空間機能や学習を改善するための標的型介入の開発に役に立つ。
(2019年9月)
目次に戻る