ウィリアムズ症候群責任領域7q11.23の遺伝子定量解析を行った結果、現生人類の顔のパターンを作り、その基礎をなす自己順化を司る主要なヒトの遺伝子としてBAZ1Bを同定した



Age at Onset of Declarative Gestures and 24-Month Expressive Vocabulary Predict Later Language and Intellectual Abilities in Young Children With Williams Syndrome.

Becerra AM(1), Mervis CB(1).
Author information:
(1)Department of Psychological and Brain Sciences, University of Louisville, Louisville, KY, United States.
Front Psychol. 2019 Dec 3;10:2648. doi: 10.3389/fpsyg.2019.02648. eCollection 2019.

7q11.23領域のコピー数変異を宿す定型および非定型な情報価値のある患者コホート集団から得た神経冠幹細胞にあるクロマチン再構成遺伝子BAZ1Bの機能的乖離を試みた。我々の得た結果からは、試験管内における誘導と遊走に関してBAZ1B遺伝子が神経冠幹細胞に対して与える重要な機能を明らかにするとともに、神経冠細胞特有の転写回路や末端制御において重要な役割を果たしていることを明らかにした。新しい古遺伝学分析の手法を用いて実験データを現生人類と旧人類で比較して交差分析したところ、BAZ1B遺伝子および実験的に確かめられたその下流の標的遺伝子の両方で、現生人類に特有な制御変異の増加がみられた。それによると、ヒトの自己順化仮説と現生人類の顔の基本的制御因子としてのBAZ1B遺伝子の位置づけに関する初めての経験的な確証を提供している。その際、ウィリアムズ症候群責任領域の変異によって引き起こされている頭蓋顔面や認知/行動面の表現型が現生人類の顔やプロソーシャリティーの進化への強力な入り口を提供していることに関する経験的な証拠を提供する。

【訳者注】
プロソーシャリティー:利他的な行為を通じて社会に参加しようとする傾向

(2019年12月)



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