微小欠失が免疫不全を引き起こすか?
Do microdeletions lead to immune deficiency?
Karaman S(1), Hazan F(2), Erdem SB(1), G?lez N(1), Genel F(1).
Author information:
(1)Department of Pediatric Allergy and Immunology, Dr Beh?et Uz Children's Hospital, Izmir, Turkey.
(2)Department of Medical Genetics, Dr Behcet Uz Children's Hospital, Izmir, Turkey.
Cent Eur J Immunol. 2020;45(1):69-72. doi: 10.5114/ceji.2020.94671.
緒言:微小欠失症候群は免疫疾患を伴うことがある。本研究は微小欠失症候群の診断を受けた患者の免疫機能を評価するとともに、臨床面と研究室におけるデータの評価を行うことを目的としている。
対象と手法:ベーチェット・ウズこども病院(Dr. Behcet Uz Children's Hospital)の小児遺伝及び免疫クリニックで診ている微小欠失症候群と診断された39人の患者がすべての検査に参加した。本研究で用いたすべてのデータは患者のカルテと患者の両親に対する個別指導から得ている。
結果:患者39人のうち、15人がウィリアムズ症候群、12人がディジョージ症候群、4人がプラダー・ウィリー症候群、2人がウォルフ・ヒルショルン症候群、1人が1p36欠失症候群、1人がスミス・マゲニス症候群、2人が毛髪鼻指趾症候群II型(TRPS2)、2人が猫泣き症候群として診断され管理されている。患者39人の中で10人(25.6%)は上気道感染症を頻繁に繰り返した診療履歴がある。毛髪鼻指趾症候群II型患者の1例とスミス・マゲニス症候群の1例は感染症に対する抗生物質の静脈内投与による治療を以前に受けている。ディジョージ症候群の12人中5人は低Tリンパ球症であった。ディジョージ症候群の患者2人は感染症を繰り返す治療歴があり、低ガンマグロブリン血症を伴うリンパ球低下については通常行われる免疫グロブリン静注交換法による治療を受けた。
結論:微小欠失症候群、特にディジョージ症候群の患者は免疫不全を併発する可能性があることを考慮に入れるべきである。そのためにこれらの患者はいかなる合併症も防止するように綿密に管理するべきである。
(2020年5月)
目次に戻る