感情を聞き取る:ウィリアムズ症候群における聴覚による感情認知
Hearing the feeling: Auditory emotion perception in Williams syndrome.
Heaton P(1), Ridley E(2), Makhmood S(3), Riby DM(4).
Author information:
(1)Psychology, Goldsmiths University of London, New Cross, London, SE14 6NW, United Kingdom. Electronic address: P.Heaton@gold.ac.uk.
(2)Department of Psychology, Durham University, Upper Mountjoy, South Road, Durham, DH1 3LE, United Kingdom. Electronic address: ellen.ridley@durham.ac.uk.
(3)Psychology, Goldsmiths University of London, New Cross, London, SE14 6NW, United Kingdom. Electronic address: S.Makhmood@gold.ac.uk.
(4)Department of Psychology, Durham University, Upper Mountjoy, South Road, Durham, DH1 3LE, United Kingdom. Electronic address: deborah.riby@durham.ac.uk.
Res Dev Disabil. 2020 May 21;103:103660. doi: 10.1016/j.ridd.2020.103660. Online ahead of print.
背景:ウィリアムズ症候群の人たちが感情を表現した表情を認知することを調べ研究によれば、感情の負の表現を認知することが困難であることや、課題を実行中には非定型的な発達を遂げたプロセスを基礎としていることが報告されている。
目的:本研究の目的はこれらの知見を聴覚分野における感情認知まで拡張することである。
成績と結果:ウィリアムズ症候群と言語的精神年齢を一致させたグループ間では、総合的感情認知成績には差が見られなかったが、感情カテゴリー間の識別プロフィールは顕著に異なっていた。全グループで、感情カテゴリーへの手がかりに対する到達性は音楽分野と会話分野では異なっている。この結果はウィリアムズ症候群グループにおける感情の識別は定型発達グループに比べてより強く認知機能に関連があることを示している。
結論と考察:ウィリアムズ症候群グループと定型発達グループは感情カテゴリー間の識別プロフィールが顕著に異なっていることが示されたた、領域カテゴリー間における識別パターンや聴覚感情認識処理との相関などにの類似性も見られた。この結果を定型あるいは非定型発達や、ウィリアムズ症候群における代償メカニズムなどの文脈で考察する。
(2020年5月)
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