ウィリアムズ症候群における認知能力



Cognitive abilities in Williams syndrome.

Miezah D(1), Porter M(2), Batchelor J(1), Boulton K(1), Campos Veloso G(1).
Author information:
(1)Psychology Department, Macquarie University, Sydney, Australia.
(2)Psychology Department, Macquarie University, Sydney, Australia. Electronic address: melanie.porter@mq.edu.au.
Res Dev Disabil. 2020 Jun 15;104:103701. doi: 10.1016/j.ridd.2020.103701. Online ahead of print.

本研究は49人のウィリアムズ症候群患者(内男性25名、6歳‐39歳)の被験者に対して一連の包括的な神経心理学的検査を実施するものである。被験者を子どもと大人に分離することで年齢効果も併せて検証した。ウッドコック・ジョンソン認知能力検査オーストラリア版(the Woodcock Johnson III Tests of Cognitive Abilities, Australian Adaptation (WJ-III COG) (Woodcock, McGrew, & Mather, 2001))を実施した結果、認知能力が深刻な障害レベルから秀逸レベルまでに広がり、長所と短所をまとめた個人プロフィールはかなりバラつきがあるといったように認知機能の多様性が見つかった。全体として、得られた知見は、聴覚処理や音素の認識に強みがあるというこれまでの研究結果を支持する内容であった。平均的にみて最も成績が悪い部分は、処理の速度、注意、遅延連想学習(delayed associative learning)、実行機能能力である。視空間能力は全体的にみて弱点ではなく、同様に非言語的推論能力も弱点ではない。暦年齢は認知能力とは有意な相関はない。今回の発見はウィリアムズ症候群患者の個人的な評価と管理の必要性に光を当てている。

(2020年7月)



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