ウィリアムズ症候群と自閉症の幼い子どもにおける機能遊び:症候群間横断比較



Functional play in young children with autism and Williams syndrome: A cross-syndrome comparison.

Fanning PAJ(1)(2), Sparaci L(3)(4), Dissanayake C(1), Hocking DR(1)(5), Vivanti G(2).
Author information:
(1)Olga Tennison Autism Research Centre, School of Psychology and Public Health, La Trobe University , Bundoora, Australia.
(2)Developmental Neuromotor & Cognition Lab, School of Psychology and Public Health, La Trobe University , Bundoora, Australia.
(3)Division of Psychology and Language Sciences, University College London (UCL), London, UK.
(4)Institute of Cognitive Sciences and Technologies (STC), National Research Council of Italy (CNR) , Rome, Italy.
(5)A.J. Drexel Autism Institute, Drexel University , Philadelphia, PA, USA.
Child Neuropsychol. 2020 Aug 20:1-25. doi: 10.1080/09297049.2020.1804846. Online ahead of print.

幼い子どもにおける機能遊びは象徴遊び(Symbolic Play)や社会的コミュニケーション技能に通じる筋道を構築する。しかし、自閉症スぺクトラム障害やウィリアムズ症候群などの社会性やコミュニケーションの領域に障害を有する発達疾患を呈する子どもに関する機能遊びに関しては驚くほど研究が進んでいない。 この問題に取り組み、自閉症スぺクトラム障害やウィリアムズ症候群の子どもの機能遊びを質と量の両面で評価するために、年齢と知能指数を一致させた発達障害の子ども(自閉症スぺクトラム障害(n=14)とウィリアムズ症候群(n=14))と、年齢を一致させた12人の定型発達をしている子どものグループに対して詳細行動分析を用いて異なる形式の遊びを評価した。定型発達の子どもと比較して自閉症スぺクトラム障害とウィリアムズ症候群の子どものグループには機能遊びの量に関して有意な違いがみられ、特に自閉症スぺクトラム障害の子どもでは物体探索の幅が限られていた。定型発達の子どもが非機能遊びに比べて機能遊びにより頻繁に取り組む一方、この傾向は自閉症スぺクトラム障害とウィリアムズ症候群の子どもには当てはまらず、両グループは非機能遊びと機能遊びを同じ回数取り組んでいる。さらに、機能遊びにおける行動は、ウィリアムズ症候群の子どもにおいては知的能力や適応機能に関連しているが、自閉症スぺクトラム障害ではそうではない。これらの結果は自閉症スぺクトラム障害やウィリアムズ症候群の子ども発達めやすの改善において機能遊びに注目した介入戦略の重要性を示唆している。

(2020年8月)



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