ウィリアムズ症候群における「信頼に足る」顔の第一印象:自動的と決定的認知との乖離
Face first impression of trustworthiness in Williams Syndrome: Dissociating automatic vs decision based perception.
Gomez A(1), Costa M(2), Lio G(2), Sirigu A(2), Demily C(3).
Author information:
(1)Univ Lyon, Centre National de la Recherche Scientifique, Institut des Sciences Cognitives Marc Jeannerod, UMR 5229, F-69500, Lyon, France. Electronic address: alice.gomez@isc.cnrs.fr.
(2)Univ Lyon, Centre National de la Recherche Scientifique, Institut des Sciences Cognitives Marc Jeannerod, UMR 5229, F-69500, Lyon, France.
(3)Univ Lyon, Centre National de la Recherche Scientifique, Institut des Sciences Cognitives Marc Jeannerod, UMR 5229, F-69500, Lyon, France; Reference Center for Rare Diseases with Psychiatric Phenotype G?nopsy, le Vinatier Hospital, Bron, France. Electronic address: Caroline.DEMILY@ch-le-vinatier.fr.
Cortex. 2020 Aug 24;132:99-112. doi: 10.1016/j.cortex.2020.07.015. Online ahead of print.
人は顔の見かけに基づいて「信頼に足る」かどうかを瞬時に決定している。ウィリアムズ症候群は見知らぬ人に対して過度の社会性を示す障害を伴う遺伝子疾患であり、このことは信頼に関する評価に混乱を来していることを示唆している。神経的に定型発達した参加者(対照群)(21人)とウィリアムズ症候群患者(22人)に対して、事前に信頼に足るか足らないかを事前に紐付けた顔のコンピュータ画像ペアを見せて、眼の動きを記録した。自発的視覚参照課題においては、対照群の参加者は信頼に足る顔を有意により長い時間見つめる一方で、ウィリアムズ症候群ではどちらの顔タイプにも好みは見られない。次に、決断課題においては、参加者は高レベルの信頼に関連した3種類の社会的描写の中の1つと一致すると彼らが判断する顔を選ぶことを指示される。両グループとも信頼に足る顔をより長く見つめるとともに、それぞれに一致する社会的描写と正しく対比させていた。決断課題におけるウィリアムズ症候群患者の成績向上は感情NEPSY尺度(the emotional NEPSY scale)で測定した成果に付随する。「信頼に足る」自発的表現はウィリアムズ症候群では障害を受けているが、信頼認識のトップダウンのメカニズムは一部が残されているように見えると我々は結論づけた。
(2020年10月)
目次に戻る