ウィリアムズ症候群の聴覚過敏
Auditory hypersensitivity in Williams syndrome.
Silva LAF(1), Kawahira RSH(2), Kim CA(2), Matas CG(3).
Author information:
(1)Department of Audiology and Speech Therapy, Physiotherapy and Occupational Therapy, University of Sao Paulo Medical School, Sao Paulo, SP, Brazil. Electronic address: liliane.a.fagundes@gmail.com.
(2)Unit of Genetic, Children's Institute of Hospital of Clinics, University of Sao Paulo Medical School, Sao Paulo, SP, Brazil.
(3)Department of Audiology and Speech Therapy, Physiotherapy and Occupational Therapy, University of Sao Paulo Medical School, Sao Paulo, SP, Brazil.
Int J Pediatr Otorhinolaryngol. 2021 Apr 28;146:110740. doi: 10.1016/j.ijporl.2021.110740. Online ahead of print.
目的:本研究の目的はウィリアムズ症候群の聴覚過敏を調べることであり、標準的手続を用いて聴覚過敏症を評価し、原因としてウィリアムズ症候群患者の聴覚反射の欠如が合併しているかどうかをチェックする。
手法:本研究は年齢が7歳から17歳のウィリアムズ症候群患者17人(男性10人、女性7人)とウィリアムズ症候群患者と年齢と性別を一致させた定型発達をした対照群に対して実施した。不快音レベル試験とともに同側性・対側性反射テストで得られた結果を分析するために統計検定を用いた。
結果:聴覚過敏が共通的に見られた。ウィリアムズ症候群の患者は音恐怖症があり、強い音響強度に対する耐性が低く、定型発達群と比べて不快に感じる閾値が低いことを示した。しかし、ウィリアムズ症候群患者の35.29%が聴覚過敏症を有し、その症例の50%は軽度であった。聴覚過敏症と聴覚反射反応の間に相関がみられ、対側性反射反応が欠如している患者は、聴覚過敏症を有する確率が高い傾向がある。
結論:ウィリアムズ症候群患者は音恐怖症を伴う聴覚過敏の発症率が高いが、聴覚過敏症が蔓延しているわけではなく、対側性反射反応の欠如と合併している可能性が高い。
(2021年5月)
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