ウィリアムズ症候群と自閉症の両方で「不確かさに対する不耐性」が社会性プロフィールと不安の関係を媒介している



"Intolerance of uncertainty" mediates the relationship between social profile and anxiety in both Williams syndrome and autism.

South M(1)(2)(3), Hanley M(3)(4), Normansell-Mossa K(1), Russell NCC(1), Cawthorne T(5), Riby DM(3)(4).
Author information:
(1)Department of Psychology, Brigham Young University, Provo, Utah, USA.
(2)Neuroscience Center, Brigham Young University, Provo, Utah, USA.
(3)Centre for Developmental Disorders, Durham University, Durham, UK.
(4)Department of Psychology, Durham University, Durham, UK.
(5)Camden and Islington Foundation NHS Trust, London, UK.
Autism Res. 2021 Jun 10. doi: 10.1002/aur.2554. Online ahead of print.

不安はウィリアムズ症候群と自閉症の両方で精神衛生上の最も重要な懸念事項である。ウィリアムズ症候群と自閉症はそれぞれ症候群特有の社会性差異によって特徴付けられているにもかかわらず、症候群間の不安兆候プロフィールについてはほとんど解っていない。先行研究によれば、臨床的に不安を有する集団や自閉的な子どもや青年、成人にとっては、不確かさに対する不耐性が不安継続の主要なメカニズムであることが示されている。ウィリアムズ症候群のこの分野において唯一公開されている研究によれば、年齢が高い青年や成人(平均年齢=24歳)のサンプルにおいて、感覚器の感受性の役割に力点が置かれているものの同様のパターンがみられることが示され、発達の影響を考慮するにはもっと年齢の若いサンプルで調査することの重要性を著者が付記している。本稿ではウィリアムズ症候群(n=48)と自閉症(n=42)からなる90人の子どもに関する親の調査データを含めて、ウィリアムズ症候群と自閉症と診断された子供に対する症候群間で横断的な媒介分析を行った。自閉症グループのほうがすべての測定項目において高い形質レベルを示すというグループ間の差異が示された。重要なことは、両グループとも社会性プロフィールと不安との関係が不確かさに対する不耐性レベルで完全に媒介されていることである。このことから、これらの疾患の患者の不安の根底となる主要なメカニズムが似通っている可能性を示唆しており、様々な状況における不確かさに関連する悩みを処理することに特に関連する一般的な介入方法の可能性も示唆する。

(2021年7月)



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