ウィリアムズ症候群の子どもや青年におけるエピソード記憶の感情影響



Emotional modulation of episodic memory in children and adolescents with Williams-Beuren syndrome.

Massol S(1), Caron C(2), Franck N(2), Demily C(3), Chainay H(1).
Author information:
(1)Laboratoire d'Etude des M?canismes Cognitifs (EMC), EA3082, Universit? Lumi?re Lyon 2, Bron, France.
(2)P?le Centre rive gauche et Centre Ressource de r?habilitation psychosociale, Centre hospitalier le Vinatier et Institut Marc Jeannerod, UMR 5229 (CNRS et Universit? Claude Bernard Lyon 1), Bron, France.
(3)P?le Hospitalo-Universitaire ADIS, Centre de R?f?rence Maladie Rares G?noPsy, Centre Hospitalier Le Vinatier et Institut Marc Jeannerod, UMR 5229 (CNRS et Universit? Claude Bernard Lyon 1), Bron, France.
Child Neuropsychol. 2021 Nov 9:1-38. doi: 10.1080/09297049.2021.1993167. Online ahead of print.

ウィリアムズ症候群の子どもや青年は特殊な記憶能力や感情的反応性を有していると報告されている。文献によれば感情で記憶を強化できることが確定しているが、このような研究はウィリアムズ症候群患者に対しては行われていない。本研究では、3種類の検査を行い、項目記憶(item memory)と連想記憶(associative memory)という2種類の記憶構成要素を特に評価することで、負あるいは正の感情原子の刺激が言語記憶、視覚記憶、視空間記憶に影響を与えているかどうかを検査した。8歳から18歳のウィリアムズ症候群患者16人が、最初に2種類の実験に参加し、そのうちの12人の被験者が3番目の実験に参加した。その結果は、定型発達をした子どもからなる同等な対照群と比較された。被験者たちは意図的に符号化された課題の実施を完了したのち、即時項目認知や連想想起や項目想起などの課題に取り組んだ。3番目の実験では、絵を見て符号化したり認知したりしている最中の事象関連電位の測定も行った。その結果、ウィリアムズ症候群の患者における視覚項目記憶や視空間記憶に対する感情の影響が初めて明らかになり、それは定型発達をしている子どもで観察される現象と同様であった。行動と神経測定の結果を合わせると、我々の研究はウィリアムズ症候群の患者の感情と記憶の相互作用に関して、彼らが非定型発達の影響を受けていないと思われる、という新たな知見を提供する。

(2021年11月)



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