ウィリアムズ症候群の9歳児における単語の読みと読解に対する併存予測因子



Concurrent predictors of word reading and reading comprehension for 9-year-olds with Williams syndrome.

Mervis CB(1), Greiner de Magalh?es C(1), Cardoso-Martins C(2).
Author information:
(1)Department of Psychological and Brain Sciences, University of Louisville, 317 Life Sciences Building, Louisville, KY 40292 USA.
(2)Department of Psychology, Universidade Federal de Minas Gerais, Belo Horizonte, MG Brazil.
Read Writ. 2022;35(2):377-397. doi: 10.1007/s11145-021-10163-4. Epub 2021 Jul 3.

ウィリアムズ症候群の読字能力に関連する認知、言語、教育的な要素を調査した。ウィリアムズ症候群の9歳児70人に対して、実単語読み(real-word reading)、疑似語解析(pseudoword decoding)、読解力、音韻技能、聴解力、非言語的推論、視空間能力、言語的作動記憶、ラピッドネーミング、語彙の測定を行った。読みの指導方法は学校記録や両親と教師への面接から決定した。ウィリアムズ症候群の患者に関する先行研究結果と同様に、読解力は個人差が大きく、どの単語も理解できないレベルから年齢相当レベルの読解力までばらついた。重回帰分析を行った結果、単語の読解力の一次併存予測因子は読みの指導方法であり、系統的フォニックスを用いた方法が他の読みの指導方法に比べてかなり良い成績を示した。音韻処理技能は音韻認識と言語短期記を用いて評価されるが、単語読解力のユニークな差異にも貢献している上に、視空間能力にも影響している。読解力の併存予測因子は一単語読みと聴解力である。これらの発見は、ウィリアムズ症候群における早期の単語読みと読解力の両方を予測する因子が、定型発達した子どもやウィリアムズ症候群の子どもに適用されたSimple View of Readingに対する先行研究から得られた知見と一致することを示している。ウィリアムズ症候群の子どもはその知能指数にかかわらず、系統的フォニックスを用いた指導方法から多大な恩恵を受ける。聴解力の改善に主眼を置いた指導は聴解力を改善する可能性があり、特に単語読み技能の上昇に顕著である。

(2022年3月)



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