脆弱X症候群やウィリアムズ症候群の成人における語用論的プロフィール



Pragmatic Profiles of Adults with Fragile X Syndrome and Williams Syndrome.

Diez-Itza E(1), Viejo A(1), Fern?ndez-Urquiza M(1).
Author information:
(1)LOGIN Research Group, University of Oviedo, 33003 Oviedo, Spain.
Brain Sci. 2022 Mar 13;12(3):385. doi: 10.3390/brainsci12030385.

脆弱X症候群やウィリアムズ症候群の患者の言語表現型は様々な程度の語用論面の障害を示す。これには社会的コミュニケーションや会話原理への適応の困難が含まれる。本研究の目的は、会話におけるグライスの協調の原理(Gricean maxims)を観察することで得られる評価に基づいて脆弱X症候群やウィリアムズ症候群の成人における症候群特有の語用論的プロフィールを探索することである。被験者はスペイン語を話す成人で、自閉症スペクトラム障害の診断を受けていない12人(脆弱X症候群6人/ウィリアムズ症候群6人)であり、拡張自然会話(71,859語)を記録し、CHILDES/TALKBANKとPREP-CORP語用論プロトコルを用いてコード化した。会話における協調の原理の逸脱を分析し、協調と会話の反応に関する指標を獲得した。両グループとも言語の生産の減少と訥弁の繰り返しが見られた。脆弱X症候群のプロフィールにおける顕著な特徴は、偶発的ではない言語の割合がより高いこと、話題や形式への固執、衝動的な会話反応等であり、ウィリアムズ症候群のプロフィールにおける顕著な特徴は、脱線思考的発話、再構成、言葉の置き換えを過度に反映した会話反応などの割合がより高いことである。会話における協調の原理を逸脱した語用論的プロフィールは脆弱X症候群やウィリアムズ症候群の成人において特定のコミュニケーション技能の障害があることの反映であり、彼らの社会的コミュニケーション能力に特化した介入方法の評価が必要であることを強調する。

(2022年4月)



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