自閉症スペクトラム症とウィリアムズ症候群の子どもの適応機能間の相違点と類似点:縦断的研究
Differences and Similarities in Adaptive Functioning between Children with Autism Spectrum Disorder and Williams-Beuren Syndrome: A Longitudinal Study.
Alfieri P(1), Scibelli F(1), Montanaro FAM(1), Digilio MC(2), Rav? L(3), Valeri G(1), Vicari S(1)(4).
Author information:
(1)Child and Adolescent Neuropsychiatry Unit, Department of Neuroscience, Bambino Gesu Children's Hospital, IRCCS, 00153 Rome, Italy.
(2)Medical Genetics Unit, Bambino Gesu Children's Hospital, IRCCS, 00153 Rome, Italy.
(3)Epidemiology Institute, Bambino Gesu Children's Hospital, IRCCS, 00165 Rome, Italy.
(4)Department of Life Sciences and Public Health, Universita Cattolica del Sacro Cuore, 00168 Rome, Italy.
Genes (Basel). 2022 Jul 16;13(7):1266. doi: 10.3390/genes13071266.
背景:この10年間で自閉症スペクトラム症とウィリアムズ症候群の患者間の適応プロフィールに関する比較研究の数が増えており、共通点と症候群特融の適応軌跡を明らかにしている。研究によれば、疾患間の全般的適応プロフィールに類似点があることが示される一方で、就学前児童におけるコミュニケーションや社会性に関する特定のサブドメインでいくつかの相違点が明らかになった。しかし、両疾患間の適応機能の差異に注目した研究の大部分は横断的デザインを利用している。我々の知りうる限りでは、時間経過とともに適応機能の相違点と類似点を探査した研究はない。
手法:最初に評価した時点で暦年齢と認知/発達レベルを一致させた自閉症スペクトラム症とウィリアムズ症候群の子どもや青年の患者に対して実施したヴァインランド適応行動尺度の結果を用いて把握した適応機能の縦断的データを比較した。
結果と結論:全般的適応レベルに関して両疾患の間で初期でも時間経過後でも差異は認められなかった。しかし、研究に参加した時点における社会性やコミュニケーションレベルには有意な差異が現れた。縦断的データにおいて見られた唯一の差異は、社会性ドメインにおける時間経過に関する差異であり、ウィリアムズ症候群患者の方が自閉症スペクトラム症の患者より良い機能を有していた。疾患間の適応機能の類似パターンや相違パターンに関する結果を発達に関する展望で考察し、年齢特異的に組み込む介入方法に貢献する。
(2022年7月)
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