偏桃体結合と認知や疾患との関連



Amygdala connectivity and implications for social cognition and disorders.

Meisner OC(1), Nair A(2), Chang SWC(3).
Author information:
(1)Department of Psychology, Yale University, New Haven, CT, United States; Interdepartmental Neuroscience Program, Yale University, New Haven, CT, United States.
(2)Department of Psychology, Yale University, New Haven, CT, United States.
(3)Department of Psychology, Yale University, New Haven, CT, United States; Interdepartmental Neuroscience Program, Yale University, New Haven, CT, United States. Electronic address: steve.chang@yale.edu.
Handb Clin Neurol. 2022;187:381-403. doi: 10.1016/B978-0-12-823493-8.00017-1.

偏桃体は皮質下領域の中心であり、情動や動機に関連する様々な行動の組合せに重要な領域である。これまでの研究によって、この領域がその他の皮質下や皮質領域と広範囲に結合していることが非常によく理解できるようになってきたが、最近の方法論の進化により、研究者はこれらの回路の詳細や行動に及ぼす影響をより良く知ることができるようになった。この研究の多くが、社会的認知に対する偏桃体回路の役割を探索することに特に焦点を当てている。本章では、偏桃体の構造、機能、社会的認知との関わり等に関する、長年にわたる知識と最新の研究成果の両方をレビューする。内側前頭前野、眼窩前頭皮質、海馬と接続する偏桃体の回路に特に注目する。これらの領域は、解剖学的にも機能的にも偏桃体と広範囲に結合を共有しているからである。さらに、偏桃体の機能不全が、自閉症スペクトラム症や社会的不安症やウィリアムズ症候群などの臨床疾患に合併する社会的障害に影響を及ぼしているかどうかを議論する。偏桃体によって媒介されている社会的機能は偏桃体及びそれと結合している脳野との複数の複雑な相互作用によって組織化されていること、そしてその結果としてネットワークの観点から偏桃体を理解することの重要性を裏書している。

(2022年8月)



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