神経遺伝子病の脳画像:行動神経遺伝学研究の可能性を探る



Brain imaging in neurogenetic conditions: Realizing the potential of behavioral neurogenetics research.

Reiss AL, Eliez S, Schmitt JE, Patwardhan A, Haberecht M
Department of Psychiatry and Behavioral Sciences, Stanford University School of Medicine, Stanford, California.
Ment Retard Dev Disabil Res Rev 2000;6(3):186-197

行動神経遺伝学研究は新しい科学的調査方法であり、ある種の遺伝子病に起因する神経発 達機能障害の研究に重点を置いている。この研究手法はヒトの遺伝子−脳−行動間の関連 を科学的に調査するための強力な道具であり、伝統的な研究方法を補完する。特に、普通 の住民の中で発生する認知障害や行動障害のモデルとして特定の遺伝子疾患を取り上げる ことで、神経発達の核心につながる手がかりを発見できる可能性がある。この疾患に着目 せず、行動面の類似性で定義されたもっと雑多な被験者グループを調査対象にすれば、不 明確であいまいな結果しか導き出せないかもしれない。本論文では、子どもの神経発達や 神経精神に特定の共通的な障害を引き起こす5種類の遺伝子疾患に着目した。脆弱X症候 群・velo-cardio-facial症候群・ウィリアムズ症候群・ターナー症候群・クリネフェルタ ー(Klinefelter)症候群である。これらの疾患を対象にした神経画像研究によって明らかに された脳の形態の記述に重点を置くが、分子遺伝学・死後解剖・神経行動面の観察記録に 関する情報も記載しており、行動神経遺伝学研究が子どもの脳疾患への理解を深めること に役に立つことを示す。

(2001年1月)



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