聴覚過敏症:大音量に対する耐性、恐怖、いらだち、苦痛



Hyperacusis: Loudness intolerance, fear, annoyance and pain.

Salvi R(1), Chen GD(2), Manohar S(2).
Author information:
(1)Center for Hearing and Deafness, 137 Cary Hall, University at Buffalo, Buffalo, NY 14214. Electronic address: salvi@buffalo.edu.
(2)Center for Hearing and Deafness, 137 Cary Hall, University at Buffalo, Buffalo, NY 14214.
Hear Res. 2022 Dec;426:108648. doi: 10.1016/j.heares.2022.108648. Epub 2022 Nov 8.

聴覚過敏症は大音量に対する衰弱性の不耐性障害で、いらだちや恐怖や聴覚性顔面痛を引き起こす。聴覚系が中心的な役割を担っていると思われるが、聴覚過敏症はウィリアムズ症候群、自閉スペクトラム症、線維筋痛症、片頭痛、頭部外傷、狼瘡、音響ショックなど20以上の非聴覚系疾患に関連している。神経系モデルによれば、いくつかの聴覚過敏症のタイプは中枢神経系の利得が亢進していることが原因である可能性がある。これは、障害を受けた蝸牛から送られた神経シグナルが連続的に増幅され、活動が古典的な聴覚経路と共にその他の脳の非聴覚系、すなわち、情動や記憶やストレスをつかさどる領域を経由して吻側上方に向けて伝わることによる。画像を用いた研究により、脳内の拡張された神経ネットワークと機能的結合パターンが、音に対して負の属性を増幅させ、聞くに堪えないあるいは苦痛を感じさせていることが明らかになった。動物の聴覚過敏症モデルの発達により、研究者は聴覚過敏症の本質的な生物学的基礎を評価することが可能になり始めており、徴候を回復さえられる治療法を特定したり、聴覚が正常な対象や障害がある対象において大音量コードに対する中枢神経系のメカニズムをよりよく理解することが可能になった。

(2022年12月)



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