ウィリアムズ症候群における後期型の音韻発達



Late phonological development in Williams syndrome.

Perez V(1)(2), Martinez V(1), Diez-Itza E(1).
Author information:
(1)LOGIN Research Group, University of Oviedo, Oviedo, Spain.
(2)Escuelas Universitarias Gimbernat, University of Cantabria, Torrelavega, Spain.
Front Psychol. 2022 Nov 16;13:992512. doi: 10.3389/fpsyg.2022.992512. eCollection 2022.

ウィリアムズ症候群は神経発達遺伝子疾患であり、軽度から中程度の知的障害や、神経心理学的に長所や短所が相対的に不均等なプロフィールを伴うことが特徴である。言語構成要素(例:音素、形態統語、語彙)は、実用的な言語使用と比較した場合の特定の能力分野であると考えられてきた。ウィリアムズ症候群の音韻発達に関する研究は非常に少ないが、それは非定型的なパターンを示唆している。そのため、本研究の目的は、スペイン語を話すウィリアムズ症候群の子ども、青年、成人における遅発型の音韻発達プロフィールを調査することであり、自発的会話の5層(音節構造、置換、省略、同化、付加)のプロセス分析を利用した。ウィリアムズ症候群を有する7人の子ども(3歳から8歳)と7人の青年と若い成人(14歳から25歳)を、音韻発達の後期の異なる段階(3歳と5歳)に属する、定型発達をした規範的な2つのグループと比較した。ウィリアムズ症候群の子どもグループにおける音韻プロセスの度数分布は、定型発達をした3歳の子どもに似ており、これは音韻発達の後期の第1段階(拡張期:expansion stage)であることを示唆している。それより年長のウィリアムズ症候群のグループはプロセスの度数分布はより低く、定型発達をした5歳の子ども、つまり音韻発達の最終段階(解決期:resolution stage)にあることを示唆している。しかし、彼らの音韻プロセスは持続的で、暦年齢には依存しないように見える。さらに、量的プロフィールと質的プロフィールの非同期性(比較度数分布)は、後期型の音韻発達の軌跡が非定型で複雑であることを示しており、単純に遅れているとか遅延していると言うことはできない。顕著な個人差が観察されており、特にウィリアムズ症候群の青年や成人のグループがそうであるが、症例の大部分はそのグループの様式プロフィールを示している。最後の子音を欠落させることを含む省略に関する主要な傾向は、非定型的であり、どの年齢においてもウィリアムズ症候群に特有であった。今回の研究結果は、ウィリアムズ症候群患者に対して生涯に渡る適切な音韻評価と治療を継続的に実施することの重要性を喚起する。

(2022年12月)



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