遺伝子疾患における自閉症的特徴の多様性:評価と支援に関する重要な考慮点
Heterogeneity of Autism Characteristics in Genetic Syndromes: Key Considerations for Assessment and Support.
Jenner L(1), Richards C(2), Howard R(1), Moss J(1).
Author information:
(1)Guildford, England School of Psychology, University of Surrey.
(2)Birmingham, UK School of Psychology, University of Birmingham.
Curr Dev Disord Rep. 2023;10(2):132-146. doi: 10.1007/s40474-023-00276-6. Epub 2023 May 9.
レビューの目的:知的発達症を合併する遺伝子疾患に関して自閉症的特徴が報告される割合が増えている。本レビューは以下に述べる症候群における自閉症的行動の多様性に関する最近の証拠をまとめる:脆弱X症候群、 コルネリア・デ・ランゲ症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群、ダウン症候群、スミス・マゲニス症候群、結節性硬化症。評価と支援に関する重要な考慮点を議論する。
最新の知見:これらの症候群における自閉症関連行動のプロフィールや発達軌跡は、幅広い行動表現型(例:超社会性)や知的発達症や心の健康(不安症)など、ある程度これらの症候群特有の徴候との関連性を示す。症候群に関連する遺伝的サブタイプと併発するてんかんは自閉症的特徴の重要性増大に寄与している。自閉症に関連する強みと障害は、既存のスクリーニング/診断ツールや診断基準を用いると、この集団に対する感応性や特異性が欠けているために、過大評価されるか誤解される傾向がある。
まとめ:自閉症的特徴は遺伝子疾患毎に大幅に異なっており、ほとんどの場合非症候性自閉症と区別することが可能である。この母集団に対する自閉症診断評価の実践は特定の症候群に向けて個別化すべきである。サービスの提供を始めるにあたりニーズに基づく支援の優先順をつけるべきである。
(2023年6月)
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