ウィリアムズ症候群患者の多感覚テクスチャー認知



Multisensory Texture Perception in Individuals with Williams Syndrome.

Cheam C(1), Barisnikov K(1), Gentaz E(2), Lejeune F(2).
Author information:
(1)Department of Psychology, Faculty of Psychology and Educational Sciences, University of Geneva, 1205 Geneva, Switzerland.
(2)Sensorimotor, Affective and Social Development Unit (SMAS), Faculty of Psychology and Educational Sciences, University of Geneva, 1205 Geneva, Switzerland.
Children (Basel). 2023 Aug 31;10(9):1494. doi: 10.3390/children10091494.

ウィリアムズ症候群患者の感覚プロフィールは非定型的な視覚及び聴覚認知を特徴とし、彼らの日常生活や学習に影響を与えている。しかし、彼らの触覚、特に多感覚(視覚と触覚)状況における認知については研究が行われていない。本研究の目的はテクスチャーが、ある感覚様相から他の感覚様相に変わったという情報についてウィリアムズ症候群患者のコミュニケーションを評価することである。ウィリアムズ症候群患者の子どもおよび成人を被験者とし、同時に暦年齢を一致させた定型発達グループ及び精神年齢を一致させた定型発達子どもグループを対照群とした。全参加者(N=69)は3種類の比較課題を実施し、その課題それぞれで2種類の織物(同じもの、あるいは異なるもの)を視覚、触覚、視覚/触覚を用いて比較した。テクスチャーが異なる場合、ウィリアムズ症候群患者グループは視覚及び触覚の成績は精神年齢を一致させた定型発達グループと同様であった。さらに、視覚/触覚の同時感覚の成績は2種類の定型発達グループより低かった。この結果はウィリアムズ症候群患者が多感覚伝達能力の獲得に遅れがあることを示している。ウィリアムズ症候群患者だけにおいて暦年齢と視覚と視覚/触覚の3要素に正の関連があることから、ウィリアムズ症候群患者は、多感覚情報を処理して多感覚伝達能力を発達させるために早期療育を行うことから恩恵を受けられる可能性があることが示唆される。

(2023年10月)



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