ウィリアムズ症候群の精神医学及び行動面の症状
Psychiatric and behavioral manifestations of Williams syndrome.
Thom RP(1)(2)(3).
Author information:
(1)Lurie Center for Autism, Lexington.
(2)Massachusetts General Hospital.
(3)Department of Psychiatry, Harvard Medical School, Boston, Massachusetts, USA.
Curr Opin Psychiatry. 2023 Dec 12. doi: 10.1097/YCO.0000000000000914. Online ahead of print.
レビューの目的:本レビューの目的は、希少遺伝子疾患であるウィリアムズ症候群の精神医学及び行動面の症状に関する最新の研究成果をまとめることである。最近の研究の進展は社会的表現型と社会的スキルへの介入方法の開発、不安症の評価と治療の改良、摂食行動の探索などに焦点が当たっている。
最新の発見:ウィリアムズ症候群の社会的認知表現型、すなわち高い社会性への傾注と社会的認知障害であるが、これは文化を超えて存在し、眼の注視が減少していることと関連している可能性がある。ウィリアムズ症候群の成人に対する社会的スキル訓練には見込みがあることが示された。最近になって、ウィリアムズ症候群の子どもと成人に対してそれぞれ順応暴露療法(Adapted exposure therapy)と認知行動療法プログラムがパイロット的に適用されるようになった。ウィリアムズ症候群の成人の大部分は体重過多か過少のどちらかあり、問題がある食事関連行動が体重状態に影響を与えているように見える。
まとめ:ウィリアムズ症候群は数多くの主要な社会的あるいは精神医学的問題を抱えており、これが機能や「生活の質」に多大な影響を及ぼしている。最近の研究はこれらの問題の臨床的症状の微妙で詳細な理解に基づいて、この特異な集団に合わせた介入方法を開発し始めている。しかし、大規模な試行、特に多様性に富むウィリアムズ症候群集団のメンバーの多くが参加することが必要である。
(2023年12月)
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