自閉的患者とウィリアムズ症候群患者における感覚プロファイルの比較
Comparison of the Sensory Profile Among Autistic Individuals and Individuals with Williams Syndrome.
平井 真洋(1)(2)(3)、池田 彩夏(4)、加藤 竹雄(5)、池田 尚広(6)、浅田 晃佑(7)、白野 陽子(8)、松島 佳苗(9)、粟屋 智就(10)(11)、岡崎 伸(12)、加藤 寿宏(9)、平家 俊男(13)、萩原 正敏(10)、山形 崇倫(6)、富和 清隆(14)、木村 亮(10)
(1)名古屋大学 大学院情報学研究科心理・認知科学専攻
(2)自治医科大学 先端医療技術開発センター
(3)自治医科大学 医学部小児科学
(4)専修大学 人間科学部発達心理学
(5)滋賀県立小児保健医療センター 神経内科
(6)自治医科大学 医学部小児科学
(7)東洋大学 社会学部
(8)慶應義塾大学 グローバルリサーチインスティテュート
(9)関西医科大学 リハビリテーション学部
(10)京都大学大学院医学研究科 附属総合解剖センター
(11)京都大学大学院医学研究科 発達小児科学
(12)大阪市立総合医療センター 小児脳神経内科
(13)兵庫県立尼崎総合医療センター 小児科
(14)東大寺福祉療育病院
J Autism Dev Disord. 2024 Jan 28. doi: 10.1007/s10803-023-06205-1. Online ahead of print.
目的:これまでの研究と合わせて、我々はウィリアムズ症候群と自閉スペクトラム症の間で感覚プロファイルの類似点と相違点を明らかにすることを目的とする。
手法:介護者が記入した感覚プロファイル質問紙を用いて、ウィリアムズ症候群(n=60、年齢3.4〜19.8歳)と自閉的グループ(n=39、年齢4.2〜14.0歳)を分析した。
結果:重度分析を行った結果、感覚感度においてはグループ間で有意な差異がみられたが、低登録、感覚刺激探求、感覚回避の下位尺度には差がみられない。年齢によって下位尺度のスコアはグループ間で異なった形で変調する。感覚刺激探求のスコアは両グループとも発達と共に低下した。しかし、感覚感度のスコアは、自閉的グループでは年齢とともに低下したが、ウィリアムズ症候群のグループでは低下はみられない。感覚回避のスコアは、ウィリアムズ症候群のグループでは発達とともに上昇したが、自閉的グループでは上昇しない。低登録については有意な発達変化は観察されない。
結論:本研究は自閉的患者とウィリアムズ症候群患者における感覚プロファイルの症候群間の類似点と相違点、および発達差異に焦点を当てる。
(2024年2月)
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