ウィリアムズ症候群の9歳児における数学成績の併用予想因子
Concurrent predictors of mathematics achievement for 9-year-old children with Williams syndrome.
Guimaraes VN(1), Mervis CB(2).
Author information:
(1)Department of Psychological and Brain Sciences, University of Louisville, 317 Life Sciences Building, Louisville, KY, 40292, USA.
(2)Department of Psychological and Brain Sciences, University of Louisville, 317 Life Sciences Building, Louisville, KY, 40292, USA. cbmervis@louisville.edu.
Sci Rep. 2024 Jan 30;14(1):2454. doi: 10.1038/s41598-024-52639-7.
ウィリアムズ症候群の子どもの数学成績に関する研究は非常に少ない。ウィリアムズ症候群の9歳児72人における数学の成績、彼らの数学と読文の成績の比較、さらにウェクスラー個別学力テストV(Wechsler Individual Achievement Test-III(WIAT-III))を用いて成績を測定し、弁別能力尺度U(The Differential Ability Scale -II)を用いて認知能力を測定することで、数学の成績の併用予想因子を探索する。数値演算と数学問題解決の両方に関して、平均標準得点は軽度の障害範囲に入っているが、その範囲は重度から平均までの全領域にまたがっている。ロバストなベイジアン推定(Bayesian robust estimation)によれば、読文能力の平均は、数学成績の平均より高いという決定的な証拠が出ている。有益な先行指標を用いたベイズ線形重回帰モデル(Bayesian multiple linear regression)によれば、ワーキングメモリーの標準得点の効果が支援することを示す決定的な証拠、及び非言語的推論の標準得点と空間的標準得点が支援する強い証拠を元に数値演算の標準得点に関する分散の60%を説明でき、さらに、ワーキングメモリーの標準得点と非言語的推論の標準得点の効果が支援することを示す決定的な証拠、及び言語の標準得点効果が支援することを示す強い証拠、及び空間的標準得点が支援する相当な証拠を元に数学問題解決の標準得点に関する分散の71%を説明できる。これらの予想因子は定型発達をしたヒトの因子と整合していることから、母集団の数学学習に困難を覚える子どもたちに対して効果が高い介入方法の利用を検討する考え方を支持する。
(2024年2月)
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