共有と公平性における社会的動機付けの役割:ウィリアムズ症候群からの洞察
The role of social motivation in sharing and fairness: insights from Williams syndrome.
Foti F(#)(1), Costanzo F(#)(2), Fabrizio C(3), Termine A(3), Menghini D(2), Iaquinta T(4), Vicari S(2)(5), Petrosini L(3), Blake PR(6).
Author information:
(1)Department of Educational Sciences, University of Catania, Catania, Italy.
(2)Child and Adolescent Psychiatry Unit, Bambino Gesu Children's Hospital, IRCCS, Rome, Italy.
(3)Santa Lucia Foundation IRCCS, Rome, Italy.
(4)Department of Medical and Surgical Sciences, "Magna Graecia" University of Catanzaro, Catanzaro, Italy.
(5)Department of Life Sciences and Public Health, Catholic University, Rome, Italy.
(6)Department of Psychological & Brain Sciences, Boston University, Boston, MA, USA. pblake@bu.edu.
(#)Contributed equally
J Neurodev Disord. 2024 Aug 31;16(1):50. doi: 10.1186/s11689-024-09568-3.
背景:共有と公平性は、私たちが世間を渡っていくのに役立つ重要な向社会的行動である。しかし、ウィリアムズ症候群患者(WS)がこれらの行動にどのように関与しているのか、また関与しているのかどうかについては、ほとんど解明されていない。高い社会的動機と限定された社会的認知からなるウィリアムズ症候群患者のユニークな表現型は、定型発達した個人(TD)と比較することによって、共有と公平性における社会的動機付けの役割についての洞察も提供できる。現在の研究では、確立された実験的パラダイムを使用してウィリアムズ症候群患者および定型発達した個人における共有と公平性を調査した。
手法:ウィリアムズ症候群患者のサンプルを定型発達の子供(6歳児)と精神年齢で一致させて2つの実験課題で比較した。成人をモデルとした与える行動によって共有をテストする目的の独裁者ゲーム(実験1、N = 17 WS、20 TD)と、公平性をテストする目的の不公平ゲーム(実験2、N = 14 WS、17 TD)である。
結果:その結果、ウィリアムズ症候群グループは、独裁者ゲームと不公平ゲームでベースラインとして定型発達グループと同様に行動し、不利なオファーを拒否し、有利なオファーを受け入れることが示された。しかし、成人モデルの与える行動を見た後には、ウィリアムズ症候群グループはベースラインよりも多くのものを与え、多くの個人は半分以上を与えたのに対し、定型発達グループはより少ない量しか与えなかった。これらの結果を組み合わせると、社会的動機付けは、分かち合い、特に寛大な分かち合い、そして自己中心的な公平性の形態にとって十分であることを示唆している。さらに、ウィリアムズ症候群患者は、より寛大であることを学ぶことも、不利な結果を防ぐこともできると思われる。これは、以前に知られていたよりも複雑なプロフィールである。
結論:結論として、本研究はウィリアムズ症候群における共有および公平性に関連する行動の一面を提供し、この発達障害に関連する興味深い社会的行動表現型の理解に貢献する。
(2024年9月)
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