ウィリアム症候群の就学前児童の行動と精神病理学、および年齢、性別、認知の影響



Behaviour and Psychopathology in Preschool Children with William Syndrome and the Effects of Age, Sex and Cognition.

Miezah D(1), Porter M(2), Batchelor J(1), Rossi A(1), Reeve J(1).
Author information:
(1)School of Psychological Sciences, Macquarie University, Herring Road, North Ryde, Sydney, NSW, 2109, Australia.
(2)School of Psychological Sciences, Macquarie University, Herring Road, North Ryde, Sydney, NSW, 2109, Australia. melanie.porter@mq.edu.au.
J Autism Dev Disord. 2024 Oct 7. doi: 10.1007/s10803-024-06530-z.

現在の研究は、ウィリアムズ症候群の就学前児童24人(2.20?5.97歳)と、ウィリアムズ症候群がなく発達または心理学の診断でスクリーニングを行い暦年齢と性別分布で一致させた対照群53人(2.21?5.89歳)の認知障害および精神病理学的障害の有病率を比較した。性別、暦年齢、早期発達、精神病理学との関連も調査した。「子どもの行動チェックリスト/幼児用(CBCL)」と「Mullenの早期学習スケール」を実施した。ウィリアムズ症候群の就学前の児童では、注意の問題、感情的な反応性、身体的愁訴、引きこもり、感情的な問題、および全体的な問題の報告率が高いことがわかった。他のすべてのCBCLドメインの有病率に有意な群差はなかった。ウィリアムズ症候群の就学前の児童では、注意の問題が最も多い精神病理学的障害(33%が臨床的に有意な範囲に該当する)であり、次に感情的な問題(29%が臨床的に有意な範囲)が多く、不安の問題(17%)、注意欠如・多動症の問題(17%)が続いた。ウィリアムズ症候群がない児童の中で、精神病理学的障害の有病率が最も高いのは、注意の問題(4%が臨床的に有意な範囲に該当する)、攻撃的な行動(4%)、睡眠の問題(4%)、および?反抗挑戦的な問題(4%)であった。両グループとも、性別または暦年齢とCBCLで報告された精神病理との間に有意な関連はなかった。さらに両グループとも、CBCLの評価と言語能力、非言語能力、または全体的な発達レベルとの間に有意な関連はなかった。この知見は、ウィリアムズ症候群を患う就学前の児童とそうでない児童の間では、精神病理のパターンにばらつきがあることを強調しており、これは臨床管理や将来の研究で考慮する必要がある。

(2024年10月)



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