ダウン症候群およびウィリアムズ症候群における日常の実行機能と適応行動との間のドメイン間関係の記述



Delineation of cross-domain associations between everyday executive function and adaptive behaviour in Down syndrome and Williams syndrome.

Hocking DR(1)(2), Byer E(3), Lee NR(4).
Author information:
(1)Institute for Health & Sport, Victoria University, Melbourne, Australia. darren.hocking@vu.edu.au.
(2)Developmental Neuromotor and Cognition Lab, School of Psychology and Public Health, La Trobe University, Melbourne, Australia. darren.hocking@vu.edu.au.
(3)Institute for Health & Sport, Victoria University, Melbourne, Australia.
(4)Department of Psychological and Brain Sciences, Drexel University, Philadelphia, USA.
Sci Rep. 2024 Nov 25;14(1):29152. doi: 10.1038/s41598-024-80395-1.

ダウン症候群やウィリアムズ症候群などの遺伝子症候群では、実行機能の障害は共通的に報告される特徴であり、日常生活における長期的な成功と重要な相関関係にある。これらの症候群の子どもを対象とした確固たる文献があるにもかかわらず、日常的な実行機能の症候群横断的な特徴が、ダウン症候群およびウィリアムズ症候群の成人における適応機能や知能とどのように関連しているか、また、これらの関係がグループ間で異なるかどうかは不明のままである。本研究は、ダウン症候群およびウィリアムズ症候群の年長の青年および若年成人を対象に、BRIEF-Aを用いて、日常の実行機能の長所と短所のプロファイルを特徴付けることを目的としている。また、個々の実行機能、適応/不適応機能、および知的能力との関連も調査した。結果は、ウィリアムズ症候群グループがほとんどすべてのBRIEF-Aスケールで重度の障害を示し、スコアの大部分が臨床的に有意な範囲にあることを示した。さらに、選択的実行機能(抑制、物の整理、課題モニター)は、2つの遺伝的症候群を識別することができた。以前の研究とは対照的に、ウィリアムズ症候群ではワーキングメモリは適応機能と知能指数に関連していた。ダウン症候群では、課題モニターとシフト尺度は、それぞれ外部化行動と内部化行動のユニークな予測因子だった。これらの知見は、これらの遺伝的症候群における対象を絞った認知介入に重要な意味を持つ可能性がある。

訳者注: (2024年11月)



目次に戻る