ダウン症候群とウィリアムズ症候群の青年におけるナラティブのミクロ構造とマクロ構造
Narrative microstructure and macrostructure in adolescents with Down syndrome and Williams syndrome.
Viejo A(1), Fernandez-Urquiza M(1), Diez-Itza E(1).
Author information:
(1)LOGIN Research Group, University of Oviedo, Oviedo, Spain.
Front Psychol. 2025 Jan 28;16:1402121. doi: 10.3389/fpsyg.2025.1402121. eCollection 2025.
ダウン症候群とウィリアムズ症候群は、知的障害に関連する遺伝性神経発達障害であり、文法(ダウン症候群の弱点/ウィリアムズ症候群の強み)と語用論的な能力(ダウン症候群の強み/ウィリアムズ症候群の弱点)の非対称性を伴う対照的な言語プロファイルを示す。本研究の目的は、ダウン症候群とウィリアムズ症候群の14人の青年、および14人の定型発達した対照群(暦年齢および言語的年齢で一致)の言語プロファイルを調査することで、ナラティブのミクロ構造とマクロ構造、およびそれらの考えうる解離を比較することである。被験者は、トムとジェリーの漫画シリーズのエピソードを視聴し、それを語り直すように求められた。ビデオに録画されたナラティブは、CHILDES(Child Language Data Exchange System)プロジェクトとPragmatic Evaluation Protocol for Corpora(PREP-CORP)のツールを使用して書き起こされ、分析された。ミクロ構造は、文法レベル(発話数)と語彙レベル(単語トークン数)での生産性、および文法レベル(MLU)と語彙レベル(単語タイプ数)の複雑さによって評価された。マクロ構造は、シナリオ(グローバル)、エピソード(統合)、イベント(詳細)の3つのレベルで想起されるストーリー要素の数によって評価された。その結果、両群の言語プロファイルに非対称性が確認され、ミクロ構造の相対的な弱点にもかかわらず、マクロ構造の相対的な強みがダウン症候群を持つ青年で確認された。逆に、ウィリアムズ症候群の青年は、ナラティブのミクロ構造では強みを示したが、マクロ構造ではダウン症候群グループよりも優れたパフォーマンスを示すことができなかった。回帰分析によって定型発達している青年においてはミクロ構造からマクロ構造を予測できたが、ウィリアムズ症候群とダウン症候群の青年プロファイルでは両方のレベル間に関連性は見られず、これは非定型的な解離と解釈された。
(2025年2月)
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