ウィリアムズ症候群の成人3人における非自殺性自傷行為に対するN-アセチルシステイン:症例シリーズ
N-Acetylcysteine for Nonsuicidal Self-Injurious Behavior in 3 Adults With Williams Syndrome: A Case Series.
Kandel H, Cruz AR(1), Thom RP, McDougle CJ.
Author information:
(1)Lurie Center for Autism, Lexington, MA.
J Clin Psychopharmacol. 2025 Feb 27. doi: 10.1097/JCP.0000000000001976. Online ahead of print.
背景:ウィリアムズ症候群は、染色体7q11.23上の25?27個の遺伝子の微小欠失に起因する遺伝性疾患である。ウィリアムズ症候群の患者は、しばしば合併症として神経精神症状、特に不安症を示す。我々の知る限り、非自殺性自傷行為は、ウィリアムズ症候群では報告されていない。N-アセチルシステインは、脳内のグルタミン酸活性を調節できる可能性のある安全で容易に入手できる薬剤である。N-アセチルシステインは、様々な精神神経疾患の治療に有効である。N-アセチルシステインが非自殺性自傷行為を効果的に治療するために使用されたという限られた数の文献報告はあるが、ウィリアムズ症候群では報告されていない。
手法:この論文では、ウィリアムズ症候群の成人3人を対象に、N-アセチルシステインを使用して非自殺性自傷行為を治療する方法について説明する。
所見:非自殺性自傷行為は、1日あたり2400?3600mgの範囲の用量でN-アセチルシステインを投与してウィリアムズ症候群の3人の成人で成功裏に治療され、その結果、日常生活機能が大幅に改善された。さらに、N-アセチルシステインは耐用性が良好であった。
結論:N-アセチルシステインは、ウィリアムズ症候群の成人3人の非自殺性自傷行為の治療に有効であった。これらの困難な行動に対処することにより、N-アセチルシステインは、非自殺性自傷行為を行うウィリアムズ症候群患者の生活の質を大幅に改善できる有望な薬理学的介入を提供する。さらなる研究と臨床試験が必要である。
(2025年3月)
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