ウィリアムズ症候群の描画能力:症例報告
Drawing abilities in Williams syndrome: a case study.
Stiles J, Sabbadini L, Capirci O, Volterra V
Department of Cognitive Science 0515, University of California, San Diego, La Jolla, CA 92093-0515, USA. stiles@ucsd.edu
Dev Neuropsychol 2000;18(2):213-35
ウィリアムズ症候群の子どもは、一般的な精神遅滞の特徴を持ちながら、言語能力は維持
され視空間能力が貧弱であるという独特の認知プロフィールを有している。このプロフィ
ールを裏付けるデータはウィリアムズ症候群を持つ年長の子どもや成人を対象とした研究
から得られている。小学校入学以前の幼児期の子どもを対象とした知見はほとんど報告さ
れていない。その結果、ウィリアムズ症候群の子どもが持つ認知能力の初期発達過程はほ
とんど知られていない。Capirci、Sabbadini、Volterraらはウィリアムズ症候群の年少の
子どもに関する初期言語発達の経年変化を追った症例報告から得られたデータを報告
(1996)している。本報告書では、同じ子どもに関する視空間能力の経年プロフィールを記
述する。小学校入学前(後期)から小学校低学年にかけて収集された複写描画と自由描画に
関するデータが示されている。このデータから、この子どもは視空間能力の障害を持って
いることが明らかになった。彼女の能力は加齢と共に改善されたが、障害は残っている。
(2001年4月)
目次に戻る