ウィリアムズ症候群の幼児の不安:縦断的研究
Anxiety in Young Children with Williams Syndrome: A Longitudinal Study.
Reeve JL(1), Porter MA(1).
Author information:
(1)School of Psychological Sciences, Macquarie University, Sydney 2109, Australia.
Children (Basel). 2025 Aug 21;12(8):1098. doi: 10.3390/children12081098.
背景/目的:不安はウィリアムズ症候群の特徴的な症状であり、学齢期の子供と大人の両方で全般性不安障害と特定の恐怖症の有病率が非常に高いが、社会恐怖症の有病率は比較的低い。ウィリアムズ症候群のごく幼い子供の不安に関する研究は非常に限られており、これまでのところ、ウィリアムズ症候群における様々な不安障害の初期有病率と発症を調べた研究はない。本研究は、ウィリアムズ症候群のごく幼い子供における不安症状の有病率と縦断的プロファイルの包括的な評価を提供する。不安症状の潜在的な環境的および人口統計学的相関関係も調査した。
手法:参加者には、包括的な発達評価を完了した2歳から5歳 (初期検査時)のウィリアムズ症候群の幼児19人が含まれた。親/保護者は、スペンス児童不安尺度 (the Spence Children's Anxiety Scale;Spence, 1997 & Spence et al., 2001)を記入した。この尺度は、標準化された頑強な精神測定法である不安に関する質問票(通常は研究室や臨床環境で用いられる)であり、精神障害の診断および統計マニュアル第5版(DSM-5;アメリカ精神医学会、2013)に記載されている不安症に関連する不安症状を測定する際に用いられる。
結果:本研究では、不安症状は、ウィリアムズ症候群がごく幼い子供にかなり蔓延していることがわかった。症状では特に全般性不安障害と特定の恐怖症が見られた。さらに、不安症状の有病率は年齢や時間とともに増加し、多くの子供が約3.5年後の時点2で不安障害の症状を併発した。実年齢、性別、発達/知的能力もウィリアムズ症候群の幼児の不安の発達軌跡に影響を与えることが判明した。
結論:縦断的調査結果は、不安の性質、発達経過および維持に対する環境要因の寄与に関する証拠を提供する。考慮すべき個人差が存在することが明らかであり、ウィリアムズ症候群患者に対する個別評価と個別治療プログラムの開発の重要性が確認された。
(2025年8月)
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