ウィリアムズ症候群と視空間認知障害



Williams syndrome and deficiency in visuospatial recognition.

中村みほ, 渡邊一功, 松本昭子, 山中勗, 熊谷俊幸, 宮崎修次, 松島正氣, 三田勝巳
愛知県身心障害者コロニー 発達障害研究所
mihon@inst-hsc.pref.aichi.jp
Dev Med Child Neurol 2001 Sep;43(9):617-21

本研究は5人のウィリアムズ症候群児(男児4人:9歳3ヶ月・7歳11ヶ月・8歳1ヶ月・10歳8ヶ月、女児 1人:6歳3ヶ月)の視空間認知能力を評価することを目的とした。最初に、図(絵)の模写を行って 子どもたちの視空間認知能力を検査した。次に、日本語版K-ABC(Japanese Kaufman Assessment Battery for Children)を使って認知処理能力を評価した。客観的な検査でかつ日本で広く用いられて いること、空間配置能力などの流動性知能を評価できることからこの検査を用いた。被験者たちは 位置探しサブテストの成績が有意に低く、空間配置能力に障害があることを示唆している。線の模写 テストの成績が、色付きの点を用いた場合に向上した。この結果は視覚認知背側経路に障害があり、 腹側経路は比較的能力が保存されていることを示唆している。

(2001年9月)



目次に戻る